今日はなーんかやな予感がしてたんだよ・・

















































ー」
教科書の入った鞄を持って廊下を歩いてたら後ろから呼びかけられた。元親だ。ていうか、この声といい、なんか雰囲気といいなんか、ニヤニヤしてるっぽい。関わっちゃダメだ、こーいうのは関わっちゃダメだ。ろくな事じゃない。振り向こうとした首をぐいっと元に戻して歩くスピードを速める。



「おいームシかよー」
「あーはいはいおはよう!!おはよーう!!」
「朝の挨拶は立ち止まって振り返ってするもんだぜー」
「(なにそれ!)は?ちょ、なんでおいかけてきてんの?!」
「オメーが逃げっからだろうがよ」
「ギャ、ギャー!!こわい!変態!!」




廊下を歩いている生徒諸君はそんな私たちをみてクスクス笑うか、一瞥した後さほど興味もなさそうに各々の話題に話を戻すかだ。チクショウ!おいそこの君!昨日のスマスマなんてどうだっていいでしょうがあたしを助けろよ!!うんまあ昨日のビストロのデザートは美味しそうだったけども!!
そうデザートに思いを馳せている間にもあたしと背後の変態(何考えてんのかしらないけど!)との距離は縮まってきている。ていうかあっちが走ればあたしなんてすぐ捕まるはずだ。面白がってる。絶対面白がってる。・・・・・フン、まあ見てなさいこの乳首!!(あれ、なんで乳首っていうんだっけ)(まあいいか)教室に着いたら私のお助けポストの猿飛がいるのよ!!そうだ早くついて猿飛に助けてもらおうそうだそうしよう!!もうすこし、もうすこしだ!この角を曲がったら・・・
















「ぶっ!」
「Oh!か。Good morning」
「おおおおはよう伊達!!ぜんっぜんグッドじゃないよ!(もう猿飛じゃなくても誰でもいいや)あたしを助けて!つか助けろ!!」
「Ha?」
「よぉ」
「おお、元親。なんだ?どうしたんだコイツ」
元親がまたあたしを見てきたのであたしは伊達にしがみついた。(断っとくがあたしには伊達にはそんな気は無い)(それはもう全く無い)




「いや、あいさつがてらパンツの色を見ようとしたら感づかれてよ」
は?
「Oh, good job!どれどれ・・」
「おぎゃー!!!!!」




「・・・sexinessもクソもねえ叫び方だな・・」
「(せ、せくしねす?)(て、いうか、ふともも)さ、さわった!!」
「Yes?ちょっとパンツ見ようとしただけだろうが」
「へ、へんたい!!痴漢ー!ここに痴漢がいます!!」
「だーれが変態だ馬鹿野郎」
















「おい政宗、俺にいーい案があるんだが」
「なんだ、言ってみろよ」
「こいつのパンツの色当てたらこいつと付き合うってことでどうだ」
「Yeah!いいな、それ!乗ったぜ!、いいだろ?」
「はいは・・・いいいいい?!?!」
「よっしゃーはいって言ったーきまりー」
「え、ちょ、ま、つきあう?!なんで?!?!(パンツで?!)」
「追加ruleで柄まで当てたら抱けることー」
「おーっしゃそれのったー」








ちょ、冗談じゃない!あほか!あほか!!そんなにあたしのパンツが見たいか!そりゃそうだあたしはなんてったって女子高生だピチピチ取れたてだ、そりゃーアンタ、飢えた野獣共があたしのパンツ見たいのはわかるよ・・じゃねえ!違う!分かるか!あほか!ていうかアンタらにだったらよろこんで見せる女がいっぱいいるでしょうが・・じゃない!!!!違う!!!なんでつきあわにゃならんのだ!しかも・・だ、抱く?!嫌だ!絶対嫌だ!いやっつか、それ以前にドン引くよ、ドン引きだよ!!!








「真田ものるよなァ?」








元親の言葉に顔をあげれば、廊下の反対側で耳から顔からまっかっかにして固まってる幸村がいた。




「そそそそそそそそそ某は・・!!」
「いーじゃねーのムッツリー、な?こういうのは多い方が燃えるもんだぜー、な?まあのパンツを当てるのは俺だけどよ」
「Yes,そうだぜ?まあムッツリがいいって言うなら別に無理強いはしねえぜ、どうせのパンツを当てるのは俺だからな」
「ム、ムッツリではない!!そ、それがしも、、の貞操を守るため某も参加するでござる!うおおぉおの、パパパパパパパンツを当てるのは某でござるううううう!!」












もう、バカだ。こいつらは頭が可哀想なバカなんだ。脳みその変わりにハト三匹、いや、それでもおつりが返ってくるよ。ごめん、もう、先二人の馬鹿はともかく幸村も幸村でキモいよ。顔かわいいからまだ許せてるけど私の中の株大暴落だよ。パンツくらいでどもるなよ!ていうか、貞操とか、叫ぶなよ!皆に聞こえるじゃんか!!








「(・・・)幸村、猿飛は・・??」
「さ、さすけなら、きょ、きょうはちこく、で、ござる」




最後の希望の綱を手繰り寄せようと思ったのに・・
あたしの叫び(雄たけび)も虚しく、三人は激しく火花を散らしていた。なんだこれ。パンツ戦争?勘弁してくれ。
























一時間目。現国。
いつもはつくえにつっぷしてねているとなりのさなだむっつりゆきむらくんが、ずっとあたしのほうをみていました。ていうか、もう、みているばしょがダイレクトだったのでもうどうしようもありませんでした。こころなしかかおがあかかったしいきもあらいようなきがしました。はっきりいって、きょうのさなだくんはキモいです。




二時間目。体育。
こういしつにきがえにいこうとしたらだてへんたいまさむねくんがついてくるので、なんですかときいたら、そりゃーオメェ、おまえのきがえみてパンツみるためだろうがとかいいぬかしやがったので、とりあえずごろっぱつしばきました。




三時間目。化学。
おなじくいつもはつくえにつっぷしておおいびきをかいてねているとなりのちょうそかべちくびもとちかくんが、ずっとあたしのほうをにやにやみてきました。(いどうきょうしつなのでせきがちがうんです。)なにいろだとかなにがらだとかしつようにきいてくるのできこえないふりをきめこんでいたらスカートをめくろうとしたのでいっぱつしばきました。
















昼休み。
いつもは楽しく女友達とお弁当を食べる楽しみな時間なのに、今日に限っては地獄でした。変態地獄だ。なんてたってあたしの席は窓際。キーンコーンカーンコーンとチャイムがなるや否や、あれよあれよという間に席をセッティングされました。友達のほうをみても「よかったじゃん!がんばれ!」という笑顔を貰っただけでした。(なにがいいんだろう)(パンツがか?)








「よーし俺は決めたぜ?」
「Yes,オレも完璧だ」
「某もでござる!!」
「(決めんでいいわい・・・)」








「「「せーの」」」






「水色、白レースつき!」
「white, pinkレースつき」
「赤!!でござるう!!」












「違います・・・」












おい嘘だろー?!とかガッデム!とか真にこざるかー?!とかって頭かかえて床にもんどりうって撃沈している三人を哀れな目で見るあたし。ていうか、いちばん哀れなのはこのあたしだよ。アホか。なんなんだ。ちくびと変態はなんか生々しいし!(しかもそのパンツあたし持ってるし!)(今日履いてこなくてよかった)幸村はアホか。なんで赤なんだ。何に勝負かけてあたしは赤パンツなんざ学校にはいてこにゃならんのだ。真面目に考えてないのか、とおもったけれど床に頭打ちつけてるところをみるとどうやら本気だったらしい。バカだ。








ごろごろごろごろ。ひとりでもうるさいのにそれが三人分となりゃあもう騒音公害だ。それらををおもいっきりかわいそうな目で見ていたら、頭上から声がした。




「おはよ」
「あ、猿飛。おはよ。遅かったね」
「うん、いろいろあってね…てかなに、どうしたの?ダンナたち」




なんかすごいことになってんね、と言う猿飛にこれまでのことを話すと、笑ってた猿飛は急に真面目な顔をしてあたしを頭から爪先まで見渡した。




「・・・・」
「(ななななななに?!なんなの?!)」
「ピンクで白レースつき、チェック柄」
「え、」
あたしの反応に、屍だった変態たちが体を起こす。(できれば永遠に眠っておいてほしかったのに・・)




「な、マジかよ!」
「Reary?!」
「誠にござるか?!」








あたしがゆっくり頷くと猿飛はにっこり笑って手を合わせて「いただきます」と言った。
再度もんどりうつ塊とラッキーと笑う猿飛(目が!目が笑ってないんですけど!!)を後目に私はある曲を思い出しながら、遠い空を見つめた。








(勘弁してくれ!!)

2007/01/03 (すてきかく、schoolさまへ!)